私は今までに3人のギターの先生に習ったことがあります。今回はそのエピソードを紹介します。全部マンツーマンレッスンで、ヤマハのポピュラーミュージックスクールのようなグループレッスンは受けたことがありません。
楽器屋の店長に紹介してもらったジャズギタリストの先生
私が1番最初にギターを習ったのは高校1年生のとき、近所の楽器屋でギターメンテナンスを頼んだついでに「どんなこと練習すれば上手くなれますか?」と相談したら紹介された個人の先生です。楽器屋と仲が良い個人のギター講師の人が生徒募集の張り紙とかしてたりしますよね?それです。
防音対策がされたマンションの1室にグランドピアノが置いてあり、夫婦で自宅でピアノとギター教室をやってるようでした。
この教室はハッキリ言って最悪でした。
フレットが抉れた貸出用ギブソン・レスポール
そこでは生徒用ギターの貸し出しもやってるのですが、これがひどい。ギブソンのレスポールなんですが、ずっとフレットすり合わせをしていなかったようでフレットが大きく削れていました。ちょっと凹んでいる程度ではなく、マジで「v」の字に凹んでいて、弦が当たるところだけえぐれていました。
当時は高校生だったのでギブソンのような高級ギターを触れる機会もなく「これがギブソンかー、でも何かフレットおかしくない?」とか思っていました。もちろん自分のギターを持っていくことも出来ますので、私もフレットが削れたレスポールではなく自分のギターを持っていっていました。
エレキギターなのに生音レッスン
エレキギター(ソリッド)なのに生音でレッスンされてました。
上でも書きましたが、グランドピアノを置けるレベルの防音対策がされていて、ギターアンプもJC120が置いてありました。
しかし、いつも生音でした。先生も自分も。高校生だからなめられてたのかな……
他のギタリストの悪口を言う
アドリブの話になった時、「適当にスケール上下して弾くことなくなったら21フレットをチョーキングするだけのやつがいる。あんなのは最悪のアドリブ」こんなことを言ってました。
誰のこと言ってるか、分かりますか…笑
ギタリストのプレイスタイルに好き嫌いがあるのは当然ですし(私もあります)、言ってることもあながち間違いとも言い切れないので別に良いんですが、ちょっと萎えましたね。
レッスンぶっち
極めつけはある日レッスンに行ったら留守。
レッスン前後にも何の連絡もありませんでした。後日電話しても出ないのでそのままフェードアウト。
これ、ありえないですよね。レッスンぶっち(しかも講師側)とか大人がやることかよと子どもながらに思いましたね。
夜逃げしたのか、居留守だったのか、もしかしたら急病だったのか分かりませんが。
その後その教室がどうなったのかは知りません。紹介された楽器屋も移転して遠くなったので行かなくなりました。
ちなみにレッスン内容は普通でした。ジャズ系によくある、指板の音覚えて、4和音コード覚えて、コードトーン覚えて…みたいな。

楽器屋併設の音楽教室のブルースロックギタリストの先生
2人目は大学1年生の頃、楽器屋併設の音楽教室で習っていたブルースロック系のギタリストの先生でした。
当時はあんまり他の人のことは興味なかったんでバンド名とか詳しく聞かなかったんですが、メジャーデビューしててアリアプロ2とエンドース契約してるみたいなことを言ってました。専門学校卒でした。
めちゃくちゃ狭いレッスン室
これはその先生のせいじゃないんですが、レッスン室が多分1.5~2畳くらいしかありませんでした。狭い細長いビルのワンフロアに4室くらいレッスン用の部屋があったと思いますが、どこも狭かった。
アンプ2個置いて、椅子に座った2人の人間でもうギリギリ。今回の先生はちゃんとアンプに繋いで音を出させてくれました。
ひたすらブルースのアドリブ回しをやるだけのレッスン
この先生はブルース好きで、ブルースのバッキングのパターンを教えた後、ひたすらソロを順番に弾くだけのレッスンが続きました。ターンアラウンドとかスケールや音使いなどあまり細かいことは言われず、とりあえずペンタ+♭5thで弾かされてました。
そしてこの先生、申し訳ないですがあんまり上手くなかった…「君上手いねー!俺が教えることないよーww」みたいなこと普通に言ってました。そんなわけねえだろと。
バディ・ガイとかマディ・ウォーターズのCDを貸してくれて、「このCDのフレーズ適当に耳コピしたら?」みたいな感じでした笑。そんでレッスン時のソロ回しでそれを使うという。ある意味正統派な上達方法かもしれませんが、これなら1人で出来ます。
私が行くのを断念した音楽専門学校卒でメジャーデビューしてるプロでギター講師もやってる、凄そうな経歴なのにこういう人もいるんだなと勉強になりました。
レッスン室も狭くて窮屈だったのもあり、3ヶ月くらいで辞めてしまいました。

バークリー卒でHR/HM好きのジャズ系ギタリストの先生
3人目はバークリー卒のジャズ系の先生です。大学4年の時に1年間習いました。
開店前のライブバーがレッスン場でした。なので雰囲気や広さ、機材も良かったです。
先生もまともに教えてくれる先生でかなり良かった。レッスン教材もしっかり自作したのをくれましたし、レッスンでもメトロノームに合わせて2人でバッキングとソロで別れて弾いてる時にリズムが少しよれたらすぐ注意してくれたり、ピッキングやアドリブの方法など、色々なことをちゃんと教えてくれました。
バークリー留学の準備の話とか、留学中の話とか、ギター講師間のネットワークの話とか色々面白い話も聞けて毎回楽しみでした。
ただ、この時は私がギターに使える時間が少なすぎて、課題を消化出来ずにレッスンへ向かうということが多かったですね。本当に申し訳ない…
大学卒業とともにレッスンも卒業しました。高1から大学卒業までこの先生にずっと教わりたかったです。
ギター初心者がレッスンや教室に通って上手くなるのか
この記事を読んでいる人の中にはギターを始めようと思い立って、独学じゃなくて教室に通おうと思っている人もいると思います。そんな人に向けて、少し補足で私のギターレッスンへの考えを書いておこうと思います。
結局は練習量がものを言うので誰に習うかよりもどれだけ家で練習するかの方が大事なんですが、左手と右手のフォームがまともな人、そしてそれを指導出来る人。メトロノームを使ってリズムの指導にも力を入れている人に運良く習うことが出来れば上達スピードは全然違ってくると思います。
めちゃくちゃ速弾きが出来たり、超絶カッティングが出来たり、難解なフレーズをアドリブで弾けたりするのもカッコいいので憧れると思いますが、最初はあまりそういうのは気にしなくてOKだと思います。まずはオーソドックスな弾き方の土台が作れるかが重要なんで。
私は超絶プレイが出来るけど弾き方にめちゃくちゃクセがある先生よりは、超絶プレイは出来ないけど弾き方が自然、キレイな先生に最初は習った方が良いと思います。独学でやるよりかなり速いスピードで上達できるはずです。
そして、私はその「オーソドックスできれいな弾き方」の最終形態がトモ藤田さんだと思っています。この人ほどギターの扱いが上手い人はなかなかいない。『ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ』は不朽の名教則本DVDです。トモ藤田さんは間違いなく初心者がお手本にするべきギタリストNo.1です。
最後に
私のギターレッスン体験談は以上です。いろんな思い出がありますが、懐かしいですね。みんな今は何してるんだろう。
時間があればクラシックギターも一度習ってみたいなと思っています。
