今回はギターの基本調整(ナット調整、ネック調整、弦高調整、ピックアップの高さ、オクターブ調整)を自分でやる話です。
楽器屋や工房のプロのリペアマンに頼むと大体4000円前後かかるギターの基本セットアップ。弦高やピックアップ高など、人それぞれの好みの調整があると思いますので、ある程度は自分で出来るようになって弾きやすさや好み音が出るセッティングを色々試せるようにしたいですね。
YouTubeの動画もあるのでぜひ一緒にどうぞ。
ギター基本調整フルセットを自分でやる
今回私がやった基本調整の方法を紹介します。ギター、メンテナンス初心者の人でもできる調整もあると思います。私と一緒に少しずつやり方を覚えてレベルアップしていきましょう!ストラト・テレキャス系のギターなら同じようにできますが、レスポールタイプはブリッジの調整がまた別の方法になります。ネックの確認方法などは同じです。
※ナットの調整とトラスロッドの調整は自信がなければ触らない方が安全です。
ギター ナット調整(ナットの高さ確認)のやり方
ナットの高さが適正かどうかは、3fを押さえた状態で1fと弦の隙間がどれくらいあるかで確認します。
- 隙間が大きい場合はナットが高い
- 隙間が全くない場合はナットが低い
安いギターは弦が押さえていないフレットに当たってビビらないように高めのことが多いです。私のSterlingのSilo20も少し高めでした。
ナットが高い場合はナットの溝を細いヤスリで削って低くするのですが、一度削ってしまうと修正が出来ないので注意してください。私は少し高めでも我慢出来る範囲だったので削らず、ナットが弦に引っかかってピキーンと言うのを直すために紙やすりで軽く磨いてグリスを塗るだけにしておきました。
ギターネック調整のやり方(ネックの反り確認)
ネックの反りを確認していきます。目線を指板に合わせてヘッド側、ボディ側から覗いて確認する方法がありますが、私は出来ないのでもっと簡単かつ確実な方法で確認していきます。
ネックの反りの確認方法
ギターを構えて1fと最終フレットを押さえた状態で、真ん中のフレットと弦に隙間があるかどうかで確認します。隙間があれば弦とフレットが当たってカチッという音が鳴ります。隙間が全くなければ鳴りませんし、手応えもありません。(カポを1fにつけるとその分手が空くので便利です)
隙間があれば順反り、なければ逆反りです。順反りの場合はトラスロッドを締め(右回り)、逆反りの場合は緩め(左回り)ます。1度に回す量は15°くらいにして、少しずつ反り具合を確認していきます。一般的にはほんの少し順反りの状態が良いとされているようです。私も指で弦を押さえてカチカチとフレットに当たる感じが分かるくらいに調整しています。
1弦から6弦まで全部同じ方法で確認します。そして、1fと12fを押さえて、その真ん中のフレットをカチカチ確認、12fと21フレットを押さえてその真ん中のフレットをカチカチ確認するとより細かくネックの状態を確認することができます。うねりやねじれが発見できます、その場合はちょっと素人には手に負えない可能性が高いのでリペアのプロに見てもらう方が良いと思います。
ネックの反りをチェックした結果、今回は私のギターは調整不要のようだったので、特に何もせず次の弦高調整へ。
弦高調整のやり方
ネックがいい感じになったら次は弦高を調整します。ブリッジのサドルを六角レンチで回して調整します。
ここは好みが大きく分かれるところですが、1弦で1.5mmくらい、6弦が2mmくらいが標準の弦高のようです。私はこれよりもほんの少し高めが好みなので、そのように調整しました。ギターを構えた状態で弦高を測ってください。
弦高を低くするのが好きな人も多いですが、あまり低くしすぎると弾いた時に弦がフレットに当たってビーン…というビビリ音(バズ音)が鳴るようになるので注意してください。まあこの辺も最終的には好みですが……私は強く弾いてもほぼビビらないくらいが好みです。
また、弦高調整やピックアップ高の調整、フレットの削れ具合(ガタつき)確認などには鉄製の定規が便利です。私はメモリが0から始まっていたり、1.5mmや1mmがパッとみて分かるようになっている弦楽器専用の定規「Baroque ストリング アクション ruler」を使っています。
ピックアップの高さの調整のやり方
ピックアップの高さを調整します。ピックアップの横の取り付けネジを緩めたり締めたりするとピックアップが上下します。
ピックアップの高さは好みもありますが、高すぎるとポールピースの磁力が弦の振動を妨げて変な音が鳴りますし、サステインもなくなります。
最終フレットを押さえた状態で、リアピックアップの1弦側がだいたい2ミリくらいが標準のようです。(ピックアップの種類にもよりますが)ここから微調整していくと良いと思います。音量バランスを取るために、ピックアップは6弦側に向かって緩やかに下っていくイメージで角度をつけるのが普通ですかね。
ある程度高さが決まったら、実際にアンプから音を出して1弦から6弦までの音量バランスを聞いて最終調整します。
オクターブ調整(オクターブチューニング)のやり方
ギターは完璧にチューニングが合う楽器ではないと言われますが、さすがに狂いすぎているとハイポジションを弾いた時にすごく違和感が出てきます。ドライバーでブリッジのサドルを前後に動かして調整します。サドルを動かせるようにまず弦を十分に緩めます。
オクターブ調整のやり方
- 12fの実音と12fのハーモニクスの高さを比べる
- 実音の方が高い時はサドルを後ろへ動かす(ドライバーでネジを締める)
- 実音の方が低い時はサドルをを前へ動かす(ドライバーでネジを緩める)
チューナーを使って根気よくやりましょう。オクターブチューニングが合うと、ブリッジのコマ(サドル)はだいたい3つずつの階段状になります。
最後に
自分で出来るメンテナンスや調整は積極的にやっていきたいですね。何事も経験。注意ですが、ギターを構えた状態で調整をしてください。構えた状態と机に置いた状態ではネックの状態がかわるので。撮影の関係上、机にギターを置いていじったりしていますが、最終的には私も構えて調整しています。
このサイトの他に、私のYouTubeチャンネル「EZ 12年ブランクからの2周目Guitar Channel」でも私のギター練習の様子やギターの練習に役立つコンテンツ、機材紹介、メンテナンス系の動画をアップしています。X(旧Twitter)もやっていますのでよろしくお願いします。