今回はZOOMのコンパクトタイプのマルチエフェクター MS-50G+ Multi Stompのレビュー記事です。
発売から品薄でずっと買えない状態が続いているZOOMの大人気マルチエフェクターですが、運良く購入できた私がひと通り触った感じの不満点や良い点を紹介します。
私のYouTubeチャンネル「EZ 12年ブランクからの2周目Guitar Channel」でレビュー動画もあげていますので、そちらもぜひご覧ください!
ZOOM MS-50G+のレビュー動画
この動画で紹介している不満点が気にならない人は即買いでOK!?
ZOOM MS-50G+のレビュー 不満点
ツマミが使いにくすぎる
これがZOOM MS-50G+最大の不満点です。はっきり言ってめちゃめちゃ使いづらいです。
ツマミが小さい&先細りタイプでツマミにくいです。そして、ツマミが旧モデルの3つから4つに増えたからか、隣との隙間が狭く感じます。
さらに、ツマミが本体から斜めについていて、本体の斜面と相まって指が奥側に入らないです。つまり、指でちょっとしか摘めません。力が上手く入りません。
そして、カチッカチッとクリック感のあるポットが使われているのである程度力を入れて回さないといけないのですが、摘みにくいこともあり、ツマミを回そうとしたのにプッシュしてしまうことが多くあります。かといって力が弱いと上手くポットを回転させることができません。ツマミをプッシュするとメニューに入ったり、画面が切り替わったりするのでとてもストレスになります。
私の手の大きさの問題もあるのかもしれませんが、この点はおそらく多くの人が使いづらいと感じるのではないかと思います。
言葉での説明が分かりづらいと思いますので、動画の方も参考にしていただければと思います。
本体でパッチ編集がやりにくい
コンパクトな造りなので、ボタンの数もフットスイッチを除くと、ツマミと兼用タイプの4つのみとなっています。
ZOOM MS-50G+のパッチ編集はちょっとやりにくいですね。エフェクトを追加したり、パッチを保存したり、何をするにもちょっとボタンを押す工程が多くなりがちです。慣れるまでは説明書必須です。
エフェクトのパラメーターの部分以外は直感的な操作はできませんね。
iPhoneやiPadを持ってる人は専用ソフトでパッチ編集した方が絶対快適だと思います。
ソフトがiOS版しかない
本体でパッチの編集がやりにくくても、PCなどのソフトで編集ができれば何の問題もありません。
しかし、ZOOM MS-50G+には今のところiOS版のソフトしか用意されていないようです。せめてPC版のソフトは用意してほしかった……これからリリースされる可能性はあるんでしょうか?
その点、ZOOMの初心者用としてもおすすめされることの多い定番マルチエフェクターG1X fourなどは専用ソフトZOOM Guitar Lab(上の画像左のソフト)を使ってパソコンでパッチ編集できるのですごく便利です。私はG1X fourの音作りの操作は全てパソコン上で行っています。
ライン出力・ヘッドホンで使えない
ZOOM MS-50G+にはマルチレイヤーIRというものが搭載されているのですが、ライン出力ではなくアンプ接続に最適化されているようです。
したがって、ZOOM MS-50G+のライン出力では、いわゆるラインくさいバリバリした音になります。特に歪みでは顕著です。あえてスピーカーシミュレーターの類を通さずラインでクリーントーンを作ったりすることもありますが、そちらは可能です。この音作りの方法はギタリストの鈴木健治さんがYouTubeでクリスタルクリーンと紹介していましたね。
ZOOM MS-50G+ではヘッドホンも使えません。ヘッドホン端子もありませんし、アウトプット端子にヘッドホンを繋いだら音は出ますがバリバリのラインくさい音です。
動画では実際にライン出力の音を出していますので参考にしていただければと思います。G1X fourのライン出力の音とも比較しています。
関連記事:ZOOM MS-50G+ vs G1X four どっち買えば良いの?初心者の初めてのマルチエフェクターにおすすめなのは?タイプ別に考えます
もしかしたら今後のアップデートでマルチレイヤーIR関連の変更や追加機能があるのかもしれませんが、現時点ではラインで使うのにはあまり向いていないと思っておいた方が良さそうです。
足でパッチ変更がやりにくい
エフェクトのオンオフは真ん中の金属スイッチでするのですが、ZOOM MS-50G+のパッチ変更は真ん中のスイッチの上にある2つの四角い黒スイッチで行います。
これがちょっと踏みにくいですね。せめて下の2つのスイッチに設定されていたら変更しやすかったかなと思います。
旧モデルと比べると踏みやすくはなっています。旧モデルは足で踏むために専用のパーツを自作して使っている人も多かったと思います。
ちなみに、2段階でパッチ変更するプリセレクト機能があるので、パッチの切り替えミスは心配しなくて良いでしょう。
ルーパー・リズムマシンがない
アドリブ練習などで大活躍するルーパーやリズムマシンがありません。せめてルーパーはつけてほしかったですね。あるとないとではギターの練習効率がだいぶ変わってくるような気がします。
ZOOM MS-50G+のレビュー 良い点
コンパクト
見てのとおりめちゃめちゃコンパクトです。BOSSのコンパクトエフェクターよりほんの少し大きいくらいです。ギターのギグバッグのポケットにも余裕で入ります。
大きさについてはG1X fourとも比較した動画も撮っていますのでよければそちらも参考にしていただければと思います。
ひと通りのエフェクトが揃っている
ZOOM MS-50G+には主要なエフェクトは大体揃っていますので、ギター初心者の方が色んなエフェクトを体験するのにもってこいですね。
オートワウとか、人によって違うとは思いますが、単体で揃えるまではいかないかなというエフェクトをZOOM MS-50G+に担当してもらうという使い方が便利すぎますね。トランプのジョーカー的な使い方です。
空間系だけマルチエフェクターに担当させるという定番の使い方ももちろんおすすめ。
エフェクトの質が高い
さすが令和の時代の最新マルチエフェクターです。技術の進歩はすさまじく、エフェクトの質は高いと思います。普通に音は良いので、よほど耳が良くて音にめちゃめちゃこだわりがあるという人以外は満足出来るのではないでしょうか。特にノイズも気になりません。
ギター初心者だけでなく、中級者以上の方でも1台持っていて損は絶対にないと思いますね。おすすめです。
電源の取り方が3つもある
ACアダプタ、単3電池2本、USB-Cの3つの電源の取り方が用意されています。USBで電源が取れるのはすごくありがたいです。ACアダプタを持ち歩く必要がないので荷物が軽くなります。
安い
ZOOMといえばコスパですよ。やっぱり安いです。性能を考えると、これが1万そこそこで買えるとか安すぎますね。とりあえず買っとくというのも普通にアリなレベル。
最後に
操作性に結構不満点はあるのですが、音の方は満足なので便利に使えるマルチエフェクターになっていると思います。歪み系1つとMS-50G+、もしくはMS-50G+1つだけ持ってスタジオに入っても十分色んなジャンルに対応出来そうですね。
操作性が少し悪いのが玉にキズですが、それが気にならなければ購入してOKだと思います。