今日は、BOSS の歪みペダル「ST-2 Power Stack(パワースタック)」についてです。BOSS には名機と呼ばれるペダルがたくさんありますが、ST-2 は少し影の薄い存在かもしれません。
私は汎用性の高い歪みペダルが欲しくて、中古で7,000円くらいで ST-2 を買いました。実際に使ってみると、クランチから激しいディストーション、ブースターまで1台でこなせる、とても優秀なペダルでした。
この記事では、動画で試した音を元に ST-2 を紹介します。音の特徴、ツマミのセッティング、ノイズ、ブースターとしての使い方まで分かります。「JC-120 につなぐ歪みを探している」「1台で幅広く歪ませたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
結論:BOSS ST-2 はマーシャルっぽい歪みが欲しい人におすすめ
先に結論です。ST-2 を一言で表すなら、マーシャルっぽい歪みを手軽に作れる、汎用性の高いペダルです。
弾いてみて、かなりマーシャルを意識した音だと感じました。マーシャルの歪みペダル「ガバナー」みたいな感じ、と言えば伝わるでしょうか。
こんな人におすすめです。
- マーシャルっぽい歪みが欲しい人
- スタジオやライブハウスの JC-120 で、スタックアンプのような歪みを作りたい人
- 1台でクランチからハイゲインまで、幅広く歪ませたい人
- 最初の歪みペダルに何を買えばいいか迷っている初心者
一方で、こんな人には向かないかもしれません。
- BOSS の音が好きではない人
- ノイズをかなり気にする人
- 音を変えずに音量だけ上げる、クリーンブースターが欲しい人
BOSS ST-2 Power Stack の基本スペックとツマミ
ST-2 は、2010年に発売された BOSS のコンパクトエフェクターです。黒とゴールドの高級感のある見た目ですが、操作はとてもシンプルです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツマミ | SOUND・TREBLE・BASS・LEVEL の4つ |
| 電源 | 9V 形アルカリ電池、または AC アダプター PSA-100(別売) |
| 消費電流 | 65mA |
| 電池の持ち | アルカリ電池で約5.5時間 |
4つのツマミの役割は次のとおりです。
| ツマミ | 役割 |
|---|---|
| SOUND | 歪みの量と、歪みのキャラクターを同時に変える |
| TREBLE | 高音域の調整 |
| BASS | 低音域の調整 |
| LEVEL | 音量の調整 |
注目したいのは SOUND ツマミです。ほかのペダルの「GAIN」や「DRIVE」にあたりますが、回す位置で歪みの量だけでなく、音のキャラクターも変わります。

左側では柔らかいクランチ、中央では力強いドライブになります。右に回すと、スタックアンプをフルアップしたような激しいディストーションになります。この1つのツマミで、薄いクランチからメタルまで幅広くカバーできるのが ST-2 の特徴です。サウンドをMAXにするとかなりエグい感じの激歪みの音になります。
試した環境
動画では、次の環境で ST-2 を試しました。
| 機材 | 内容 |
|---|---|
| ギター | Sterling Silo20(ピックアップは Seymour Duncan のCustom と Jazz Neck) |
| アンプ | TONEX の JC-120 系・マーシャル系のモデル |
ギターのピックアップは純正ではないので、同じ Silo20 でも音は少し違うかもしれません。
違うギターですが、ピックアップの交換で音がどのくらい変わるかは、安いギターに高いピックアップを交換するとどのくらい音が変わるのか?比較検証しましたで紹介しています。
アンプは、実機ではなく TONEX のモデルを使いました。
BOSS ST-2 の音:JC 系のクリーンにつないだ場合
今回は TONEX の JC-120 のモデルでの検証ですが、ST-2 を踏んだ瞬間、驚くほど音が変わりました。JC のクリーンが、マーシャル風のパワフルな音に激変します。
JC-120 は、スタジオやライブハウスに一番よく置かれているアンプです。ただ、トランジスタアンプ(真空管を使わないアンプ)なので、歪みペダルとの相性が難しいと言われることもあります。そんな JC でも、ST-2 があれば自分の出したいスタックアンプ風の歪みが作れます。メインの歪みペダルとして、とても優秀だと感じました。
ST-2 は「ピッキングの強さやギターのボリュームに反応する」とよく言われます。弾いてみて、私もそう感じました。強く弾けば激しく、弱く弾けばおとなしく歪むので、SOUND ツマミをいじらなくても手元で表情を付けられます。
クランチ・オーバードライブ(SOUND 9時)
SOUND を9時くらいにすると、ジャキジャキとしたクランチ〜オーバードライブになります。カッティングにちょうどいい歪みです。動画では 1:29 からこの音を聴けます。
ディストーション〜ハイゲイン(SOUND 14時〜MAX)
SOUND を14時(2時の方向)くらいまで回すと、しっかりしたディストーションになります。私が一番気に入ったのも、この14時くらいの音です。
さらに3時あたりまで上げると、ST-2 だけでメタルやハードロックが弾ける歪みになります。MAX まで回すと、ズギャズギャとした重い刻みが気持ちいいハイゲインです。動画では 2:52 からディストーション、3:35 から歪み MAX の音を聴けます。
BOSS ST-2 のセッティング:ツマミの効き方
私のセッティングは、次のとおりです。TREBLE と BASS は、どの音でも12時前後にしています。
| 音 | SOUND | TREBLE・BASS |
|---|---|---|
| クランチ | 9時 | 12時前後 |
| ディストーション(一番のお気に入り) | 14時 | 12時前後 |
TREBLE と BASS を12時前後にしているのは、どちらもかなり効きが強いからです。少し回すだけで音がはっきり変わります。
- TREBLE:上げすぎると、耳に刺さるキンキンした音になりやすい
- BASS:上げすぎると、低音がボンボンと膨らんだ音になりやすい
直感的に音を変えられる反面、極端にするとバランスが崩れやすいです。まずは12時から始めて、アンプやバンドの音に合わせて少しずつ調整するのがおすすめです。
「ツマミが少なく、細かい音作りには向かない」という意見もあります。でも私は、TREBLE と BASS の効きが良いので、細かい音作りもできると思います。ただ、SOUND は歪みの量とキャラクターが一緒に変わる独特の効き方をするので、慣れは必要です。
ツマミを0〜MAX まで回したときの音の変化は、動画の 3:58(SOUND)、4:45(TREBLE)、5:42(BASS)から聴けます。
ブースターとしての使い方
ST-2 は、単体の歪みだけでなく、アンプの歪みを押し上げるブースターとしても使えます。動画では、軽く歪ませたマーシャル系のモデルの前に ST-2 をつなぎました(7:20)。
SOUND を控えめにして、LEVEL を12時前後にすると、元の音の感じを残したまま倍音が足されます。弾き心地がぐっと良くなるので、リードギターを弾くときのブースターにもぴったりです。
ただし、クリーンブースターとしては使えないと思います。SOUND を0にしても歪むからです。音色を変えずに音量だけ上げたいなら、専用のクリーンブースターを選びましょう。動画の 7:44 で、クリーンブースターとして試した音を聴けます。
BOSS ST-2 と組み合わせるエフェクター
ST-2 は1台でも幅広く歪ませられますが、ほかのエフェクターと組み合わせると、さらに使い道が広がります。私がおすすめする組み合わせは、次の3つです。
- チューブスクリーマーのようなブースター:ソロのときなどに、ST-2 の歪みをさらに押し上げる
- ディレイなどの空間系:リードギターに奥行きや広がりを足す
- ノイズサプレッサー:ノイズが気になる人に。BOSS の NS-2 のようにセンド・リターンが使えるならそれを使い、使えなければ ST-2 の前につなぐ
チューブスクリーマーは、Ibanez の定番のオーバードライブです。ディレイなどの空間系は、歪みの後ろにつなぐのが一般的です。歪ませたあとの音に響きを足すほうが、音がにごりにくくなります。
センド・リターンは、アンプやBOSSのノイズサプレッサーNS-2などについている、ほかのエフェクターをつなぐための端子です。ST-2 をここにつなぐと、ギターから来るノイズと、ST-2 で歪ませたときのノイズの両方を抑えやすくなります。
BOSS ST-2 のノイズは多い?
ネットでは「ST-2 はノイズが多い」という声も見かけます。でも、実際に歪ませてみた私の感想は、ここまで歪むペダルとしては普通のノイズ量です。
ハムバッカーのギターなら、普通に弾いていてノイズが気になることはまずないと思います。シングルコイルのギターで SOUND を MAX にすると、さすがにノイズが目立ちました。ただ、これは ST-2 に限らず、ハイゲインのペダルならどれでも同じです。
気になるときは、SOUND を上げすぎないようにしましょう。ノイズゲート(音を出していないときのノイズを消すエフェクター)を一緒に使うのも効果的です。ギターのノイズを減らす方法は、ギターのノイズ対策は何が効果的?色々試しました。にまとめています。
ノイズとあわせて、「トゥルーバイパスではないのが気になる」という声もあります。トゥルーバイパスとは、エフェクターをオフにしたとき、音がペダルの回路を通らずにそのまま出ていく方式です。そうでないペダルは、オフでも音がやせる(高音や張りが減る)と気にする人がいます。しかし、私はST-2 をオフにしたときの音やせは気になりませんでした。
BOSS ST-2 の良い点・気になる点
良い点
- マーシャルを意識した、スタックアンプっぽい歪みが出る
- SOUND ツマミ1つで、クランチからハイゲインまで幅広く作れる
- しっかりと歪むので、JC-120 のようなクリーンのアンプでも、本格的な歪みが作れる
- アンプの歪みを押し上げるブースターとしても一応使える
- BOSSの製品は安い&中古で手に入れやすい(私は7,000円くらいで買いました)
- 安定のBOSSクオリティで頑丈そう
気になる点
- SOUND を0にしても歪むので、クリーンブースターには使えない
- TREBLE と BASS の効きが強く、極端な設定にするとスカスカ、キンキンになるので注意
- SOUND は歪みの量とキャラクターが一緒に変わる独特の効き方なので、慣れが必要
音が良いのに、なぜマイナーなのか
ST-2 は音が良くて使いやすいのに、ほかの歪みペダルに比べるとマイナーです。理由は、ST-2 がデジタルの BOSS エフェクターだからだと思います。
BOSS の音、特にデジタルのペダルは、ギタリストの間で好みが分かれやすいです。アナログ回路にこだわる人からは、デジタルというだけで選ばれないこともあるでしょう。
BOSS ST-2 を中古で買うときの注意点
ST-2 は発売から年月が経っているので、中古でも見つけやすいペダルです。私も中古で買いました。中古で選ぶときに気をつけているのは、次の2つです。
- 完動品かどうかを必ず確認する:音が出ない、スイッチが効かないなどの不具合がないか
- あまりにボロボロのものは避ける:見た目の傷が多いものは、それだけ使い込まれている。BOSS製品は頑丈ですが、さすがにちょっと心配になります。
説明に「動作確認済み」「完動品」と書かれているかを見て、分からなければ買う前に出品者やお店に聞いてみましょう。
まとめ:マーシャルっぽい感じが欲しいなら BOSS ST-2
BOSS ST-2 Power Stack のレビューをまとめます。
- マーシャルを意識した歪みが出る
- SOUND ツマミ1つで、クランチ(9時)からディストーション(14時)、ハイゲイン(MAX)まで作れる
- TREBLE・BASS は効きが強いので、ツマミ12時のところから少しずつ調整する
- アンプの歪みを押し上げるブースターには使えるが、クリーンブースターには向かない
- ノイズは、ハイゲインのペダルとしては普通の量だが、気になる人もいるかも
発売から年月が経っていますが、今でも自信を持っておすすめできる、隠れた名機だと思います。私は中古で買いましたが、新品でも買う価値はあります。マーシャルっぽい感じが欲しいなら ST-2 です。
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