今回はマイナーペンタトニックスケールに音をプラスして作るドリアンスケールのポジションのギター指板の一覧表を紹介します。(ギターの指板の度数表は「ギターの指板の度数を覚えてアドリブの基礎を固める!【度数一覧表】」こちらの記事で紹介しています。)
ギタリストにとって一番馴染み深いと言っても過言ではない、マイナーペンタトニックスケールのポジションを応用してドリアンスケールを覚えます。かなり有名な考え方なので知っている人もいるかと思いますが、指板上全ポジションで把握出来るように整理しておくとアドリブを弾く時にきっと役に立つと思います。
マイナーペンタから作るドリアンスケール ポジション指板一覧表(度数入りダイアグラム)
マイナーペンタトニックスケールの構成音は「R、m3、P4、P5、m7」の5音です。
そして、この記事で紹介するドリアンスケールの構成音は「R、M2、m3、P4、P5、M6、m7」の7音です。ドリアンスケールの特性音(キャラクタリスティックノート)はM6です。
この2つのスケールの構成音を比べてみるとM2とM6以外全部同じですよね。つまり、この足りない2音をマイナーペンタのポジションに足してあげるとドリアンスケールになるわけです。めちゃくちゃ覚えやすそうですよね。そして、M6の音をうまく使うことによってドリアン感を出すことが出来ます。
下の図はマイナーペンタトニックの記事で紹介したマイナーペンタのギター指板上のポジション(赤枠)にドリアンのM2、M6の音を水色で丸をしてドリアンスケールの表に作り変えたものです。よく下の指板図をみてもらうと分かりますが、それぞれm3とm7の1つ左の音が増えただけです。
ペンタって1つ飛ばし(例:5fと7f)か2つ飛ばし(例:5fと8f)を押さえる形になりますよね?その2つ飛ばしの形の内側に1つ音が増えるだけという覚え方も分かりやすいかもしれません。
ドリアンスケールの形自体はメジャースケールの7つのポジションと全く同じで、どこをR(ルート)と考えるかが違うだけです。個別に覚えるのではなく、それぞれを関連させて覚えます。
関連記事:ギター マイナーペンタトニックスケール ポジション一覧表(指板度数入りダイアグラム)
ドリアンスケールは基本的にマイナーコードやマイナー7thコードの時に使いますので、それぞれの赤色で囲われたポジションでm7コードを弾いてからドリアンスケールを弾いて確認していくのがおすすめです。
【マイナーコンヴァージョン】ドリアンスケールを利用していろいろなスケールを弾く
また、ドリアンスケールを覚えてしまえば他のスケール(リディアンやミクソリディアンなど)もドリアンスケールで考えて弾くことが出来るので便利です。マイナーコンヴァージョンと言われる考え方です。
また別に記事を書く予定ですが、ここでも少しだけ紹介しておきます。
メジャー7thコードでドリアンを使う
メジャー7thコードのルートの短3度下、長6度上のドリアンを弾くと、そのコードに対応するリディアンを弾いたことになります。(例:DM7コードの上でBドリアンを弾くとDリディアンを弾いたことになる)
しかもこの場合、特性音の位置がドリアンとリディアンで同じになります。リディアンの特性音は#4th、ドリアンはM6です。上の例で言うと、BドリアンのM6とDリディアンの#4が同じポジションになるので、リディアンの特性音が指板上にどこにあるのかというのは頭の中で切り替えなくてOKということです。
ドミナント7thコード(ナチュラルテンション)でドリアンを使う
ドミナント7thコード(ナチュラルテンション)の時は、完全5度上、完全4度下のドリアンを弾くと、そのコードに対応するミクソリディアンを弾いたことになります。(例:D7コードの上でAドリアンを弾くとDミクソリディアンを弾いたことになる)
ミクソリディアンの場合は、先ほどのリディアンの例とは違って特性音の位置が違うので頭を切り替えなくてはいけません。ミクソリディアンの特性音はm7ですが、ドリアンスケールで考えたときのm3の位置になります。
マイナーコンバージョン以外にミクソリディアンスケールのおすすめの覚え方を2つ紹介しておきます。
- ドリアンスケールのm3を半音上げてM3にする
- メジャーペンタトニックスケールにP4、m7を追加する
どちらも簡単なので、好きな方法で覚えましょう。覚え方は自由ですし、マイナーコンバージョンの考え方でいくのももちろんアリです。
関連記事:メジャーペンタトニックスケールから作るミクソリディアンスケールの覚え方とポジション一覧表(度数付き)
ちなみに、オルタードテンションの時は半音上のドリアンが使えます。
マイナーコンヴァージョンの注意点
ドリアンスケールに置き換えて色々なスケールを弾くことが出来ますが、ドリアンスケールの時と同じフレーズを弾いても上手くいかないことも多いので注意が必要です。
ドリアンスケールに置き換えて考えているだけであって、実際弾いているのはリディアンであったりミクソリディアンであったりするわけなので、そのスケールの特性音の位置はもちろんですが、コードトーンの位置も切り替えて考える必要があります。鳴っているコードの何度の音に着地するかなどを無視してしまうと「あれ、何かおかしい?」となってしまうかもしれませんので注意してください。
最後に
やはりギタリストにとってはマイナーペンタは分かりやすいので、これを利用して少しずつ弾けることを増やしていきたいところですね。ドリアンスケールはセッションなんかでよくあるm7コード一発でアドリブする時などに大活躍するはずです。
次はドリアンスケールをちょっと変化させてメロディックマイナースケールを覚えてしまいましょう。
関連記事:ドリアンスケールから作るメロディックマイナースケールの覚え方とギター指板ポジション一覧表(度数表)
関連記事:マイナーペンタトニックから作るオルタードスケールの覚え方とギター指板ポジション一覧表(度数入り)
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